- キャリア・就職支援
- 親子で話す就職活動
親子で話す就職活動Job Hunting Consultation
(with parents and students)
社会人としての意見、大人の視点からのアドバイスは大切ですが、現代の就職活動は保護者の方々の時代とは大きく様変わりしています。
スムーズに就職活動を進めるために、ミスマッチを防ぐために、互いに理解し合い、よりよい未来を話し合ってください。
近年の就職活動と求人動向
2023年5月の新型コロナウイルスの5類への位置付け変更により、コロナ禍の影響は回復した印象です。企業の採用意欲も高く、大卒の求人倍率も一定の水準で推移しています。
企業の採用活動は、政府から「大学3年生の3月解禁、4年の6月選考開始」という要請がなされていますが、実際はその前から実施されるインターンシップ等のイベントで学生との接点を持ち、12月頃から選考を進める企業も出始めました。企業によってある程度の違いはありますが、採用活動終了の目標としては、正式な内定を出すことができる10月を目安に、選考を進める企業が多いです。
- 就職活動の時期
- 民間企業では、採用情報解禁前に冬期インターンシップや業界研究会などで意識の高い学生と接触を試みる傾向にあります。5~6月には内々定が出て、その後、辞退者が出た場合は追加採用を実施、10月の内定式を迎えるというのが一般的です。官公庁においては大幅なスケジュール変更はありません。
- エントリー
- 学生から企業への最初のアプローチが「エントリー」。エントリー受付期間は各企業ごとにバラバラなため、期限切れで希望企業に「エントリーできない」等の事態を招かないよう早め早めに動くことが大切です、就職サイト、企業ホームページ、電話・FAX・Eメール、郵送での資料請求などの方法があります。
- 服装・マナー
- 服装・化粧に加え、電話・対面での言葉遣い、手紙やEメールなどの書き方は、就職活動後も社会人になってからも重要です。本学では、これら就活で見落としがちなマナーのポイントを就職ガイダンスやマナーセミナーなどでしっかりと指導していきます。
- 説明会・セミナー
- 本学では、キャリア支援センター職員による年間延べ300コマ以上の就職対策講座、外部講師による就職講演会、道内外の企業300 社以上を学内に招いての学内合同企業説明会などを開催。本学独自の就職支援システム「ミナトコム」を通じても、これらのイベント情報を提供しています。
- 内定の考え方
- 内定とは「雇用契約の予約」を意味します。就職協定が廃止されたとはいえ「正式な内定の通知は10 月1 日以降」という規約は残っています。企業は内定を明言せず、遠回しな表現をしますので注意が必要です。さらに複数内定をもらった場合は辞退することになりますが後輩のためにも相手企業への礼儀を欠かさないことが重要です。
- 大学のサポート
- 本学では「キャリア支援センター」を設置し、専門知識豊富なスタッフを常駐して、学生の進路を全面的にサポートします。一人ひとりの希望や適性に合わせた個別相談も行います。3年次夏休みには独自のインターンシッププログラム「GIP」を実施し、好評を博しています。
- 家庭でのサポート
- 保護者の皆さまには「親として」また「社会人」としてのサポートをお願いしたいと考えています。お子さまが自分自身で情報を集め、自分の足で歩いているか。お子さまの力を信じて見守ってあげてください。本学では「保護者のための就職支援勉強会」を開催し、昨今の就職環境や就活事情、実績などについて、お伝えします。
公務員の種類と採用動向
公務員には、国家公務員(国・省庁勤務)、地方公務員(市町村・警察官・消防吏員勤務)があります。
学力試験と、論文・面接による人物的側面から総合的に合格者(採用候補者)が決まります。
- 公務員の種類
- 国家行政の運営に携わるのが「国家公務員」で、政策の企画立案などにあたる総合職、主に事務処理など定型的業務にあたる一般職、特定の行政分野に関わる専門職があります。安定性・福利厚生面で恵まれるほか、国民生活向上への貢献というやりがいも魅力です。「地方公務員」は地方公共団体で地域住民のために働くのが仕事です。こちらも一般行政職のほか建築などの専門職があり、警察官、消防吏員もこれにあたります。
- 採用までのプロセス
- 試験は各官庁・自治体別に「受験申込」→「一次試験(主に教養試験・専門試験)」→「二次試験(主に論文・面接などによる人物試験・適性検査)」→「合格発表」→「採用面接・意向調査」→「採用内定」という流れが主流です。国家公務員の試験内容は人事院のホームページで確認ができます。また、地方公務員の場合は、自治体によって採用職種・受験資格・試験日程・内容が異なります。
- 採用試験の主な種目
- 一次試験では、主としてマークシートによる択一式の教養試験で基礎学力や一般教養を測るほか、各試験の区分に応じて必要な専門知識・技術を測る専門試験(択一式・記述式)が行われます。論文では社会・経済問題など一般的な課題や行政の役割について論述するものが中心。自己PRに重点をおいた論文が課される場合もあります。
- 近年の採用傾向
- ここ2~3年、多様な人材を確保するための試験制度の改正が相次いでいます。改正内容には「筆記試験の負担軽減」「人物面評価の重視」という傾向が強く現れています。人物面評価では、面接を複数回実施したり、複数の種類の人物試験を課したりといった傾向のほか、近年では「グループワーク」「プレゼンテーション試験」を実施する自治体が増えています。
- 学習プランについて
- 面接重視の傾向とはいえ、まずは、膨大な出題範囲を持ち出題科目数も多い筆記試験をクリアしなければ面接に進めないことに変わりはありません。その対策として、試験の一年くらい前から専門予備校、通信教育なども活用して準備するケースもあるようです。学習の優先順位を考え、学習期間を「基礎学力養成期」「実力養成期」「直前完成期」に分けると目安になります。
就職活動を支える保護者の皆様へ
保護者の皆さまには「親としてのサポート」及び「社会人としてのサポート」が大切です。就職活動の主体は本人です。学生自身が自分の意思で取り組むよう見守ってください。
- 価値観の理解と共有
- 保護者の皆さまにぜひお願いしたいのは、本人の意志を否定しないこと。知らない職種・会社名を聞かされても頭ごなしに否定することなく、それがどのようなものなのか調べてみてください。また家庭の事情はさまざまですが「地元に戻れ」など一方的な押しつけは避け、お互いに冷静に気持ちを伝えあい、納得のいく着地点を見つけていただきたいと思います。
- 本人の意思を大切に
- 「志望している会社を親に反対されています。自分の就きたい仕事を優先したいのですが、反対されると踏み切れません」という学生からの相談が毎年多数寄せられます。自分自身で目標や将来像を決めても、まるで認められないのでは本人が悩んで当然です。有名企業だからよい就職先とは限りません。社会人となり自立していく本人を信じて見守ってあげてください。
- 精神的なサポートが大切
- 長期にわたる就職活動で思い通りに行かず行き詰って悩む学生も多く見られます。価値観の押し付けや口の出し過ぎは禁物でも、無関心もまた心を傷つけます。何社受けても結果が得られない学生の心理状態は想像以上に苦しいものです。適切な距離をおきながらも「いつでも応援しているよ」と思わせるよう声をかけ、心の支えとなってください。
- 経済面での支援を準備
- 就職活動用のスーツ、靴、かばんなどの用意に加え、面接やセミナーに参加する際の交通費など、就活には予想以上にお金がかかります。過保護は禁物ですが、経済的な理由で目標をあきらめることがないようご配慮いただき、できる範囲内で、必要な援助を差し伸べてあげていただければと考えております。
- 社会人の先輩としてのアドバイス
- 学生は「会社に勤める」のがどういうことなのかを実感を持って知りません。社会人の先輩である保護者の皆さまから聞く、会社のこと、仕事のこと、同僚のことなどすべてが参考となります。保護者の皆さまが仕事の中でやりがいや喜びを感じたことをぜひ話してあげてください。聞かせるうちに業務の多様性に気づき、新たな目標が見つかることもあります。
就職活動用語集
本人と就活について話そうと思っても、用語やその意味を知らなければ会話は進みません。まずは代表的な用語の意味を知って、会話の糸口にしてみてはいかがでしょうか。
※【 】は略称、( )は用語・略称の読み方
就活準備編
- 自己分析
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自分の強みや行動特性、興味、価値観などを考えること。自分のセールスポイントをまとめ、分かりやすく相手に伝えるためにはどうしても避けては通れません。
また、就職後のミスマッチを起こさないためにも、企業名や労働条件だけで受験企業を決めるのではなく、自分が活躍できる環境はどのようなところかを考えて受験企業を決めるために必須です。
自分自身のことを一人で振り返るだけでなく、時には親をはじめ周囲の人にアドバイスを求めることも大事です。
- 業界研究・企業研究・職種研究
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世の中にはどのような業界があり、自分はどの業界に興味関心があるのか。また、その業界のビジネスモデルやこれまでの変遷、今後の展望はどうか等を調べ、理解を深めるのが「業界研究」です。
また、その業界に属する企業でも、業績はもちろんのこと、企業理念や組織風土、取り扱う製品やサービスの強み弱みなどは、大きく異なります。これらを企業同士で比較検討し、個々の企業への理解を深めるのが「企業研究」です。
そして個々の企業内でも営業や接客、事務、技術職など職種は多岐にわたります。誰に対し、どのようなことをする仕事なのかを調べ、どのような場面で自分らしさを発揮できそうかを考えるのが「職種研究」です。
説得力のある志望動機を伝えるため、就職後のミスマッチを防ぐために、知名度やイメージなど漠然とした理由で選ぶのではなく、上記のように広く深く社会を知ったうえで選択することが肝心です。
- BtoB/BtoC
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BtoB はbusiness to business の略。企業との取引が主の業種。学生の認知が低いため、受験者が少ないのが悩み。求人は営業職が多いが、取引先への営業(ルート営業)のため、学生が敬遠しがちな飛び込み営業はそれほど多くありません。
BtoC はbusiness to consumerの略。一般顧客を対象とする業種。小売業や不動産業・飲食業・製造業(食品、化粧品、家電、自動車など)・旅行業等で、学生の認知度が高く、人気が出やすいため応募が殺到する企業が多いのも特徴です。
- インターンシップ
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「就業体験」のこと。学生にとっては、実際の仕事を体験できる貴重な機会であり、職種や業界、またその企業の風土などについて深く知ることができるといったメリットがあります。一方企業にとっては、学生への「アピールの場」として活用されることが多く、主に夏休みや12月から2月にかけて、おこなわれるのが主流です。また、一部の人気企業では選考がおこなわれ、また、早期内々定や本選考の優遇が受けられるなど、従来の目的から大きく変化しています。
本学では、以前から「GIP(北海学園大学インターンシッププログラム)」を通じてインターンシップへの参加を支援しており、毎年就職希望者の半数以上がインターンシップに参加しています。
- OB・OG訪問
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パンフレットや会社説明会ではわからない、会社の実態や働く人の生の声を知るためには大学のOB・OGを積極的に活用するのが効果的です。貴重な情報を得られるほか、志望企業につながる人脈ができたり、自分をアピールする場としても有効です。
ゼミやサークルの先輩をたどっていくほか、キャリア支援センターにある卒業生名簿から調べていくことも可能です。
エントリー編
- エントリー
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希望する企業の選考試験を受けたいという意思表示のこと。受け付けはリクナビやマイナビなどの就活サイト、もしくは自社ホームページで行われることが多い。エントリーしなければ企業説明会や選考を受けることができないので、受験のための入り口といえる。最近ではエントリーすると筆記試験受験やESの提出を求められることがあるので、慎重にならざるを得ないことも。
- 合同企業説明会【合説(ゴウセツ)】
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大学で開催されるものと、就職情報社(リクルートやマイナビなど)で開催されるものがあります。大学開催のものはその大学から継続採用している企業が多数参加し、情報社開催は不特定の学生への企業認知向上を目的として参加しています。OB・OGとの接点を設けるなら学内、新規開拓なら情報社開催と目的別に参加しましょう。
- 単独説明会【単説(タンセツ)】
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企業が独自開催する説明会。合同企業説明会と違い、より詳しい業務説明やその後の選考スケジュールについて説明されることが多い。事前にES提出やSPI3受験を求める企業もあり、「説明を聞いてから考える」では遅い場合もある。
また、学内でも開催しており、参加できるのは北海学園大学の学生のみ。学園生の採用に積極的な企業の単独説明会が多数開催されています。
選考編
- 自己PR
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選考時に求められる就活3大質問のひとつ。学生自身の性格上の強みや行動特性を分かりやすく伝えることが大切。自分らしく振舞えた過去の出来事などを伝えることで説得力を持たせるようにしましょう。そのためにも自己分析をして過去の振り返りが大切になります。
「私の強みはどんなことでも最後までやり通す継続力です」と言いつつ、アルバイトをコロコロ変えている学生もちらほら。言動と行動が違うと説得力がありません。企業に合わせるのではなく、普段の行動から見える自分を考えてみましょう。
2~3個あると場面ごとに臨機応変に対応できます。
- 学生生活で一番力をいれて取り組んだこと【ガクチカ】
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就活3大質問のひとつ。学業、部活動、サークル活動、アルバイト、ボランティア、趣味など、エピソードを交えて自分らしく行動できたことを表現します。自己PRと混同しがちですが、ガクチカは過去から現在にかけて物事に取り組み、その過程でどのような成長や発見があったのか、自身の変化を表現しましょう。
「部員一丸となって全国大会をめざして頑張りました。そして今年ついに全道大会を制し、全国大会に出場することができました。」という結果を書いてしまいがちですが、その結果に至る過程の中で、集団や環境の中にある課題に対し、自分自身が主体的に解決に向けて取り組んだことについて書けるといいでしょう。
なお、大学生活を中心として、遡れるのは高校くらいまでと考えてください。
- 志望動機
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就活3大質問のひとつ。そして学生にとって一番の難関となる設問であり、企業の商品やサービスについての説明になっていることが多い。また、「人事の人が良かったので」「説明会の雰囲気が自分に合っていた」など、企業の一部分だけで乗り切ろうとする強者もいます。
まずは自分の興味・価値観・志向・行動特性などから、どんな環境や場面なら自分らしく働くことができるのか、自分の強みを活かせる働き方を考えましょう。
- エントリーシート【ES(イーエス)】
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企業が独自の設問を設定し、学生に提出させる書類。「自己PR」「学生時代に打ち込んだこと」「志望動機」などの就活3大質問のほかに、「学生時代の失敗経験」「チャレンジしたい仕事」「A4用紙1枚を使って自由に自分を表現」など、一筋縄ではいかない設問もあるので、自己分析や企業研究・業界研究をしっかりして臨みたい。手書きの場合は丁寧に書くことも評価のポイントになります。
- 面接カード(公務員)
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公務員の面接試験前に提出を求められる書類。内容は「志望動機」、「自己PR」、「学生時代に打ち込んだこと」など3大質問が主となりますが、ESほど文章量は多くありません。ただし書類の受け取りから提出までの時間が短いため、自己分析や業務理解など事前対策はしっかりしておきたい。
民間企業のエントリーシートと異なり、書類選考はありませんが、面接官に読んでもらえるよう丁寧に書きましょう。
- SPI3(エスピーアイスリー)
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適性検査の一種。言語・非言語のテストと性格検査が課される試験。多くの企業が導入しており、主に面接前の選考に使用する。満点を目指す必要はないが7割程度は正解したい。
インターネット上で受験したり、会場でパソコンを使って試験を受けるテストセンター方式も普及しています。
「北海学園大学生は面接官からの評価がとても良いが、SPIで落ちてしまうのでとてももったいない」と人事担当者によく言われます。
- グループディスカッション【GD(ジーディー)】
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学生数人(6~8人程度)で、あるテーマに対して集団で議論し、結論を導き出す集団面接。正答が存在しないテーマがほとんどであり、結論よりもコミュニケーション力や積極性、論理的思考力、協調性などの参加姿勢で評価されます。自分の主張を曲げない、人の話を聴かない、議論に参加しないなど集団の和を乱す人がいた場合、全員不合格となることもあるので、全員で合格しようという気持ちで参加することが大切です。
- 集団面接
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面接試験の一種。3~5人程度の学生と数名の面接官で行われる面接形式。一気に学生を見ることができ、また、周囲と差がでやすいので、主に選考の初期段階で実施される。
ガクチカは「アルバイト」「部活・サークル」がテーマとなりやすいため、集団面接ではエピソードが重複することもある。この場合、自分より立派な成果を出しているエピソードになっているため気落ちする学生が多い(※成果は面接の評価にほとんど関係ありません)。エピソードが数種類あると心に余裕を持って対処できる。
なお、面接で笑いをとろうとするのは本当にやめてください。
- 圧迫面接
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個人面接の一種。ただでさえ緊張している学生に対し、「うちの会社でそれは難しいんじゃないか」とか「そんなこと本当にできるの?」など、故意に学生の発言に対しダメ出ししたり、興味のない態度や横柄な態度をとることで、対応力やストレス耐性を見ているようです。企業の評判を下げたり、内定辞退促進の効果もあるため、最近ではあまり見られない希少種。
また、「もう少し詳しく教えて」「なぜそう考えるの?」などと、ひとつの回答に対し掘り下げられることが圧迫面接と感じてしまう学生もいるようです。