お知らせ最終更新日:2022.05.31
2022年度第1回北海学園大学市民公開講座「世界遺産観光を考える」のご案内
2022年度北海学園大学 市民公開講座
主催 | 北海学園大学 |
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テーマ | 世界遺産観光を考える |
趣旨・概要 | 日本では、2013 年から 2019 年まで、毎年、各地の文化遺産が世界遺産に登録されてきました。それぞれの地元では、地域の遺産の価値が国際的に認められたことを喜ぶと同時に、世界遺産というブランドを利用した観光振興への期待も高まっています。 本講座では、まず、特定の歴史的遺物が、地域の枠や国境を越え、「普遍的」な価値を持つとみなされるプロセスとその問題点を、昨年世界遺産になった北海道・北東北の縄文遺跡群という身近な例から検証します。そのうえで、世界遺産観光の功罪――それによって伝わることと見えにくくなること――を国際比較を通して問い、そもそも「世界遺産は誰のものなのか」を先住民文化の視点から見直し、最終的には、自分たちの問題として、世界遺産と観光について考えたいと思います。 |
開講日時 | 2022(令和4)年7月16日(土)13:30~17:35 |
プログラム | 12:30 受付開始 13:30~13:35 開会の挨拶 13:35~13:40 講演概要 13:40~14:30 講演1 14:30~14:40 休憩 14:40~15:30 講演2 15:30~15:40 休憩 15:40~16:30 講演3 16:35~17:25 パネル・ディスカッション 17:25~17:35 閉会の挨拶 |
講演内容 | 講演1:世界遺産に新登録された北海道・北東北の縄文遺跡群 ―登録の光と影― 人文学部教授 手塚薫 【人類学】 2021年に世界遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、近年の考古学者らによる調査によって少しずつ解明され始めていた北日本の縄文文化の特質が世界的に広く認知されたことによるものです。国内にある世界遺産の多くは関東以西に集中しており、その偏在性を打ち破る上でも重要な貢献を果たしたといえます。その一方「北海道・北東北の縄文遺跡群」の地域性を強調することで、日本列島全体に広く展開する縄文文化が持っている国境も時代も超える顕著な普遍的価値が損なわれる懸念はないのでしょうか。本報告では、登録後に予想される様々な障壁を一つひとつ取り上げながら、縄文文化の価値とは何かを考えていきます。 講演2:世界遺産のメタヒストリー ―ルター記念遺産と潜伏キリシタン関連遺産を例に― 人文学部准教授 小柳敦史 【キリスト教学】 ある文化遺産が世界遺産に登録されるためには、「顕著な普遍的価値」を説明する物語が必要です。しかし、実際に世界遺産を訪れると、公式の物語には収まりきらない要素にも出会います。世界遺産観光とは、公式の物語を入り口に、それとは異なる様々な物語の可能性に気づく契機なのではないでしょうか。本講演では、「メタヒストリー」という考え方を手掛かりに、ドイツの「ルター記念遺産」と日本の「潜伏キリシタン関連遺産」を例として、世界遺産の「顕著な普遍的価値」を説明する物語の構造を分析します。その上で、実際に世界遺産を観光すると、公式の物語とは異なる物語がどのように見えてくるかを紹介します。 講演3:先住民遺跡観光の現状と課題 ―カナダの取り組みと北海道のこれから― 人文学部教授 大森一輝 【アメリカ史】 世界遺産をめぐる文化観光に焦点を当て、遺産を保存しつつ観光資源として利用し、相互理解と地域振興の両方に活かすことは、はたして可能なのかを、特に多くの課題を抱えている先住民文化、具体的にはカナダ・アルバータ州の世界遺産「バッファロー狩りの断崖」を取り上げて、検討します。先住民文化を「見世物」にしたり、過去の文化を固定化し違いだけを強調したりするのではなく、先住民・周辺住民・観光客相互の理解を深め現在と未来の共生に資すると同時に、当事者の自立と地域の活性化とホスト・ゲスト双方の満足につなげる、そのような「観光」はどうすれば実現できるのかを、カナダの事例と北海道におけるアイヌ文化の復興・発展を目指す民族共生象徴空間ウポポイを対比しながら、考えます。 パネル・ディスカッション 進行役 人文学部教授 柴田崇(メディア論) |
会場 | 北海学園大学豊平キャンパス 7号館3階D30番教室 地下鉄東豊線「学園前」駅下車3番出口直結 →豊平キャンパス所在地 ※駐車スペースがございませんので、自家用車でのご来場はご遠慮いただいております。ご来場の際には、公共交通機関をご利用ください。 |
受講料 | 1,000円(資料代として) |
定員 | 100名(先着順、定員に達し次第締め切らせていただきます) |
申し込みから受講までの流れ | 1. ホームページ等で講座内容をご確認いただき、下記の請求方法にて案内パンフレット(受講申込書兼振込依頼書)をご請求ください。 (1)ホームページ(申込フォーム) (2)電話:011-841-1161(代表)内線2134 市民公開講座資料を請求する旨と、①郵便番号・住所②氏名③電話番号をお伝えください。 ※郵便事情により、案内パンフレットの発送は終了いたしました。案内パンフレットをご希望の方は北海学園大学人文学部窓口で配布しております。 2. 案内パンフレットがお手元に届きましたら、同封の「受講申込書兼振込依頼書」に必要事項をご記入のうえ、お近くの金融機関(ゆうちょ銀行は不可)で受講料をお振り込みください。 ※指定銀行(北洋銀行)をご利用の場合は、振込手数料が無料ですが、他行では有料となります。 ※定員を超過した場合は、ご希望に添えず、お断りすることがございます。 ※大学窓口での受講料のお取扱いはできませんのであらかじめご了承ください。 3. 講座開催当日は、振込みの際の領収書A(兼 受講許可書)を受付でご提示ください。 ※資料請求時に頂戴しました個人情報につきましては、パンフレット送付とそれに関するご連絡の目的にのみ使用いたします。 ※お申し込み時に頂戴しました個人情報につきましては、受講者名簿の作成、当講座に関するご連絡の目的にのみ使用いたします。 |
申込期間 | 2022(令和4)年6月6日(月)~7月6日(水) ※時間帯は、金融機関窓口での振込取扱時間帯になります。 |
お問い合わせ | 北海学園大学 市民公開講座係(人文学部事務室) TEL:011-841-1161(代表) 内線2134 |