学長メッセージ(新入生の皆さんへ)News & Information

お知らせ最終更新日:2020.04.01
学長メッセージ(新入生の皆さんへ)

人生の開拓者たれ!

新入生の皆さん、北海学園大学へのご入学おめでとうございます。大学への入学は、おそらく人生のなかで最も晴れがましい出来事の一つです。相当広くはなったといえ、一定レベル以上の大学に入ることは「狭き門」ですので、入学選抜試験をクリアして本学に入学されることはおめでたいことです。本来であれば盛大な入学式を挙行ところですが、目下全世界を混乱と不安の渦の中に巻き込んでいる、新型コロナウイルス感染の拡大のため、今年はやむなく入学式を中止せざるをえません。

さて、皆さんが入学された北海学園大学は、1950年に産声を上げた北海短期大学を前身として、2年後の1952年に創立されました。ですから、短期大学の誕生から起算すると、今年でちょうど70年になります。しかし母胎の学校法人北海学園の礎石は、実に今を遡ること135年前の1885(明治18)年に据えられました。北海道開拓のための人材育成を目的に、札幌農学校第3期生の大津和多理(わたり)によって創設された「北海英語学校」がその原点です。その後、「学園の父」といわれる浅羽靖(しずか)ならびに戸津高知(たかとも)両氏の奮闘努力によって、北海中学校(現北海高等学校)と札幌商業学校(現北海学園札幌高等学校)が設立され、その発展の土台の上に、1950年に拓殖学の第一人者である上原轍三郎(てつさぶろう)を初代の学長に迎えて、まず短大が、そしてその2年後に、4年制大学が誕生いたしました。

現在、本大学には経済学部、経営学部、法学部、人文学部、工学部の5つの学部があり、その上には5つの大学院研究科と、さらに専門職法科大学院法務研究科があります。3月末現在で、在学生約8400名、卒業生約9万名を数えますので、名実ともに北海道最大の私立総合大学です。このような本学の建学の精神は、「開拓者精神」(Pioneer Spirit)というものです。上原初代学長も引証しておられるウォルト・ホイットマンの『草の葉』という詩集には、「開拓者よ、おお開拓者よ」という題の詩があります。その一部を引いてみましょう。

過去はすべて背後にのこし、
もっと新しく大きな世界、多様な世界に進み出ていく、
わが手につかむその世界、労働と前進の世界には新鮮な力みなぎる、
開拓者よ、おお開拓者よ。

わたしたち北海学園大学に集う学生や教職員たちは、みなこのような気概と意気込みで教育・研究・社会活動に励んでいます。北海道開拓に淵源するこの「開拓者精神」は、しばしば「官に依拠せず自ら歩む自立・自律の在野精神」と言い換えられます。この「二つのじりつ」は、二十一世紀の現代でも通用する普遍的な行動原理です。これは「チャレンジ精神」にも通じますが、未知の世界に勇猛果敢に挑戦するこの精神は、まさに今の時代に求められているものだと信じてやみません。

新入生の皆さんには、大きな夢を抱いてさまざまな可能性に挑戦して欲しいと思います。皆さんはどのような未来図を描いていますか? 大学の四年間は自らの未来図を素描し、将来の実践活動の土台となる基本的教養や専門的知識、さらに総合的な判断力や問題解決能力などを培う期間です。この期間をどう過ごすかで大きく道は分かれます。皆さん、自分をあまり限定的に捉えないでください。あらかじめ決まった人生なぞ存在しません。ひとは自らの力で自分の人生を切り拓いていくことができるのです。ある哲学者が言うように、「人は自らが欲するところの存在である」のです。皆さんには自分で自分の道を切り拓いていく、人生の開拓者であって欲しいと願っています。

これからの大学生活が刺激的で充実したものとなるよう祈念して、学長の式辞とさせていただきます。最後にもう一度、わが北海学園大学へのご入学ほんとうにおめでとうございます。

学長 安酸 敏眞

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