広尾町×経営学部佐藤大輔ゼミ~クリスマスの物語~News & Information

学生の活躍最終更新日:2018.11.09
広尾町×経営学部佐藤大輔ゼミ~クリスマスの物語~

サッポロファクトリー 点灯式イベントについて 経営学部 佐藤大輔 教授

経営学部佐藤大輔ゼミナールでは、2016年度から北海道十勝管内広尾町と連携して、地域活性化プロジェクトに取り組んでいます。広尾町は従業港湾を抱え、漁業や林業、酪農等も盛んな地域ですが、近年の人口減少等もあり将来的な地域発展に関する課題を抱えていました。特に広尾町はノルウェー本国より正式に認められたサンタランド(サンタクロースの聖地)であり、1980年代より関連事業も展開してきていますが、近年はそれらの取り組みも下火になりつつあります。私たちは広尾町の地方創生に向けた取り組みとして、まずはこのサンタランドという観光コンテンツに注目し、中でも核となる事業である「サンタメール」事業の復興を目指してプロジェクトを進めることにしました。この「サンタメール」はサンタランドとして正式に認められて以降、広尾町がサンタランドである実質的な根拠ともなる重要事業です。クリスマス時期になるとサンタクロースからの手紙が届くというものですが、利用者はピーク時の10分の1になるなど大きな危機に直面しています。

私たちは、地域での聞き取り調査や各種データの分析から、サンタメール事業はすでに市場(顧客)を失っており、この復活には単なる周知活動を徹底するだけでは効果がないと考えました。そこで、改めて新しく市場を構築するためのプッシュ型の取り組み(事業者が顧客に積極的に説明、説得を図り新たにニーズを生み出す取り組み)を展開することとし、その目玉として昨年から実施しているのが「サンタランド」イベントです。ご存知の方も多いと思いますが、サッポロファクトリーはクリスマス時期の開始に合わせて11月初旬にクリスマスツリー点灯式を実施しています。メディア等で紹介されることも多く注目度の高いこのイベントですが、実はこの時使われるクリスマスツリーはサンタランドであり、林業も盛んな広尾町から毎年贈呈されているものでした。そこで、そのつながりを生かし(またその事実を知ってもらうきっかけになることも目論んで)サンタランドである広尾町を知ってもらうイベントを実施しようということになりました。

イベントではクリスマスツリーを俯瞰できるアトリウムの一角にブースを構え、紙芝居による子ども向けコンテンツの他、地元広尾高校生による物販なども実施しました。サンタメールのプッシュ型マーケティングの側面もあることから、ストーリー性を重視し、紙芝居に登場するものが物販やサンタメールにつながるような工夫をするなど、細かなアイディアがちりばめられています。メディア等にも注目していただき、参加者のみなさんにも喜んでいただけたイベントになったと思います。

このプロジェクトでは、私たち大学側がアイディアと見本例を作ることにしていますが、最終的には地域の方たち自身がこのような取り組みを展開できるようになることが目指されています。今年からは広尾高校の皆さんにも活動に参加してもらいましたし、今後は町と高校をはじめとし多くの町民がこのような活動を理解し、関与していけるよううまくバトンタッチできるようにすることが私たちの使命だと思っています。

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