使命・目的Mission Statement

北海学園大学 ミッション・ビジョン

2021年9月22日制定

前文

北海学園大学の建学の精神である自主独立の「開拓者精神」は、個人の幸福追求や民主主義の礎として普遍的な価値を有する。しかしまた、北海道の歴史と現実を前に批判的に継承されるべきものである。
すなわち、第一に「開拓者精神」を生み出した北海道開拓は、植民地支配と開発至上主義の潮流の下で、アイヌに対する土地収奪・同化政策と不可分に進められたこと、第二に「自主独立」の人間、すなわち明治期の私学が育成しようとした能動的市民とは、女性や障害者を排除したものであったこと、第三に「徒に官に依拠せず自らの努力をもて立つ」との自助論は、貧困が自己責任とされ、経済的に恵まれない人びとに対する生活保障・支援が国家・社会の責務とみなされていなかった時代の産物であること、などである。
したがって21世紀の現在、自主独立の「開拓者精神」とは、二つの「じりつ」すなわち「自立」と「自律」による独立自尊の精神を基礎とすると同時に、他者を尊重することによって生まれる「共生・協働・共創」を通して具現化されなくてはならない。そのため本学は、「開拓者精神」「自立・自律」「共生・協働・共創」を教職員、さらには学生・同窓生が共有しうる「中核的価値観」として定め、次のミッションとビジョンに基づき、具体的な施策を策定する。

ミッション

1952(昭和27)年創立の北海学園大学は、自主独立の「開拓者精神」を建学の精神とし、1885(明治18)年創立の北海英語学校の系譜を引く北海道最古の私立総合大学として、次のような研究・教育の諸活動を通し、人類の福祉と北海道・日本・世界の未来形成に寄与することを使命とする。

〔研究の目標〕
本学は、「学問の自由」に基づく教員個人の自律的な研究活動を前提として、学生とともに真理を探究し、「新たな知」を創造することで、学問の発展に尽くす。さらに各学部・研究科および開発研究所を中心に、北海道をはじめとする現代社会の直面する諸課題の解決にあたり、もって人類の福祉に貢献する。

〔教育の目標〕
本学は、建学以来重んじてきた「教育の機会均等」をさらに推し進めるとともに、学生の自主性を最大限に尊重し、豊かな人間性を育む教養を基礎に、学生による自らの可能性の追求を支援する教育を行う。それによって、常に真理を探究する構えと専門の学知に支えられた高い道義性と知性を兼ね備え、自己のキャリアの持続的発展と他者との自由な連帯を通し、未来を切り拓くパイオニアの育成に努める。

ビジョン

1.北海道の知の拠点
本学は、建学以来、常に北海道とともに歩んできた大学としての使命を果たすべく、新たな基金の創設とこれに基づく各種奨学金制度の拡充、安定した学生生活環境の提供などによって、「教育の機会均等」をさらに推し進める。また、地域連携推進機構を核とした北海道庁・道内市町村・民間企業および他大学との連携と同窓生との連帯の下に、少子高齢化・人口減少をはじめとする地域の直面する課題に応え、あわせて大学出版会・市民公開講座などを通してその成果を地域と共有し、豊かで活力あふれる北海道の持続的発展を目指す。

2.可能性に開かれたカリキュラム
本学は、教学マネジメントの確立によって不断に教育の改善を行い、一般教育・各学部の専門教育の緊密な連携の下に教育の質保証を行った上で、海外協定校の増加やダブル・ディグリー制の導入による海外留学制度と、国内他大学との単位互換制度などによる国内留学制度を拡充する。あわせて学部・学科の枠にとらわれない多様な学びを支援することで、学生が教養を基礎に自らの可能性を追求し、「予測不能な時代」に柔軟に対応しうる総合的な知性を獲得できるカリキュラムの構築を目指す。

3.多様性に開かれたキャンパス
本学は、自然と共生し、自他を尊重する社会の実現に向け、多様性に開かれた入学者選抜制度の実施、すべての学生に「安心・安全」なユニバーサル・デザインに基づく敷地建物の再構築、学生の「自立・自律」を目的とした、ピアサポートをはじめとする学生・教育支援制度の充実などを通して、多種多様な社会・文化的背景を持つ人びとが出会い、生き生きと学びあうことのできるキャンパスの実現を目指す。

4.活力ある教職員の協働体
本学は、ビジョン1~3を達成し、研究・教育機関としての持続的な発展を可能にするために、既存の委員会・事務組織の抜本的な再編成を行うことで、広報・国際交流・学生支援などの機能を強化する。あわせて多様性に開かれた人事を行い、教職協働をさらに推進するとともに、子育て・介護支援をはじめとする教職員の福利厚生制度を拡充する。さらに、公文書を一元的に管理するアーカイブズの設置と相俟って、学長ガバナンスの下での組織の適正かつ効率的な運営を目指す。

学部ごとの教育研究上の目的

各学部の規則に定められた教育研究上の目的は次のとおりです。

経済学部

経済学科では、経済現象の本質や法則性を解明する科学としての経済学を、理論・歴史・政策の側面から考察し、経済への基本的理解と経済現象への洞察力を養成し、もって幅広く社会の発展に資する人材の育成を目的とする。

地域経済学科では、地域の経済や社会を総合的・具体的に分析する能力を養成し、地域社会と地域住民が求める地域経済の活性化に資する教育と研究を展開し、もって幅広く社会の発展に資する人材の育成を目的とする。

経営学部

教育目標として、建学の精神(自由で不屈な開拓者精神)に則り、自由な精神、進取の精神及び不屈の精神を涵養し、専門知識と行動力を兼ね備えた実践力を養成することを掲げる。

経営学科は、経営・市場・企業にかかわる経営分野の専門知識とそれを活かす実践力を併せ持ち、組織や社会を力強く発展させることができる優れた人材を育成する。

経営情報学科は、会計・情報・心理にかかわる経営分野の専門知識とそれを活かす実践力を併せ持ち、組織や社会を力強く発展させることができる優れた人材を育成する。

法学部

法律学科
本学の建学精神である自主独立の「開拓者精神」にのっとり、現代社会のさまざまな問題に対し、法律学・政治学などに関する幅広い見識に基づき、法的思考を用いて、主体的に立ち向かうことのできる学生を育成するとともに、わが国及び国際社会における法的紛争を予防し解決するために必要とされる総合的分析能力及び批判的検討能力を陶冶し、もって人類社会に貢献することを目的とする。

政治学科
本学の建学精神である自主独立の「開拓者精神」にのっとり、現代社会のさまざまな問題に対し、政治学・法律学などに関する幅広い見識に基づき、政治学的思考を用いて、主体的に立ち向かうことのできる学生を育成するとともに、わが国及び国際社会における政治現象に対する総合的分析能力及び批判的検討能力を陶冶し、もって人類社会に貢献することを目的とする。

人文学部

本学部は、近代ヨーロッパに起源を持つ人文主義を批判的に継承することで人間としてのあるべき姿を追求し、人間と自然、自己と他者が共生できる世界を目指す「新人文主義」の理念の下、「文化を学ぶ、世界と繋がる」をモットーに、地域に根ざしつつグローバルな視野をもって、人間と人為の所産である文化を探究することを教育研究上の目的とする。

日本文化学科は、教養を基礎として、主に日本語と日本文化に関する専門知識に裏づけられた洞察力・表現力・創造力を身につけ、多様性に開かれた社会を築くため、主体的に活動できる人間の育成を目指す。

英米文化学科は、教養を基礎として、主に英語と欧米文化に関する専門知識に裏づけられた洞察力・表現力・創造力を身につけ、多様性に開かれた社会を築くため、主体的に活動できる人間の育成を目指す。

工学部

社会環境工学科
社会環境コースは、国民の安全・安心のための生活基盤、および経済活動の活性化のための生産・流通基盤等の計画、設計、建設のための基礎的な技術者教育を行い、新しい時代の要請に応え得る"専門建設技術者"の育成を目的とする。 環境情報コースは、環境保全対策、防災政策、福祉政策に必要不可欠なリスク管理、社会調査、及び合意形成等の手法に習熟し、環境への配慮を常に欠かさない人間中心の視野を持ち、あらゆる人にとって優しい安全、安心なまちづくりを目指す"文理融合型の技術者"の育成を目的とする。

建築学科
空間、環境、構造・材料の各分野の教育研究を通じ、機能と空間造形のあり方、建物内外の快適な環境づくり、建物の品質と安全・耐久性の確保等に関して必要な知識を身に付け、建築を創造性豊かに考究する能力を培うと共に、建築と地域・都市との関係や地球環境の未来に関する課題に取り組む幅広い問題意識を持ち、プレゼンテーションやコミュニケーションの能力を発揮して積極的に社会に貢献する人材の育成を目的とする。

電子情報工学科
ハードウェアとソフトウェアの両面を基礎から応用にいたるまで幅広く学び、新しい技術を生み出すための知識と能力をもつ人材の育成を目的とする。

生命工学科
次世代の最先端工学である生命科学と人間情報工学の両面において深い知識を有し、地域・国際社会のニーズを的確に捉える広い洞察力と、生命・地球環境への高い倫理観を併せ持つ人材の育成を目的とする。

大学院研究科ごとの教育研究上の目的

各研究科の規則に定められた教育研究上の目的は次のとおりです。

経済学研究科

経済政策専攻
経済学の理論・歴史・政策全般について精深な学識と研究能力を養い、経済社会の専門分野において必要な高度な研究能力と豊かな学識を有する人材を養成することを目的とする。

経営学研究科

経営学専攻
建学の精神(自由で不屈な開拓者精神)に則り、学部での「組織を中心とした経営学教育」、「実践志向の経営学教育」、「グローバルな視点に立つ経営学教育」、「情報分析を重視した経営学教育」、「人間行動の側面を重視した経営学教育」の教育方針を踏まえたうえで、専門的な学術の理論を教授し、専攻分野における研究能力を養うとともに、21世紀の国際社会及び地域経済社会に貢献する学識豊かな高度職業人の育成を目的とする。

修士課程は、学部での基本原理の修得と実践への適用能力を基礎に、さらに高度な専門性、総合性、実践性を専攻分野において教授し、課題を探求し、解決する能力を備えた実践的研究者及び高度職業人を育成することを目的とする。

博士(後期)課程は、修士課程で修得した課題探究能力及び実践的問題解決能力を基礎に、既存原理への問題提起や新原理の探求を行ないうる高度な研究能力を有する学識豊かな実践的研究者及び指導的な高度職業人を育成することを目的とする。

法学研究科

法律学専攻
社会人を含めた知的探究心のある人々に広く門戸を開き、現代法学の基礎的領域に関する広く深い素養及び高度な専門的能力を有する人材を育成するとともに、わが国及び国際社会における複雑かつ困難な法的問題を予防し解決するために必要とされる総合的分析能力及び批判的検討能力を陶冶し、もって人類社会に貢献することを目的とする。

政治学専攻
社会人を含めた知的探求心のある人々に広く門戸を開き、現代政治学の基礎的領域の広く深い素養及び高度な専門的能力を有する人材を育成するとともに、地域に根ざした民主主義を推進するために必要な北海道を始めとする地域社会の政治分析に加え、国内のみならず国際社会をも含めた幅広い政治現象に対する総合的分析能力及び批判的検討能力を陶冶し、もって人類社会に貢献することを目的とする。

文学研究科

日本文化専攻
暮らしのかたちである文化を己の目でみつめ、己の心に根ざした思いを問い質す営みをとおし、日本文化の創造的発展を担いうる人物の養成を目的とする。

英米文化専攻
ヨーロッパ社会が生み育てた近代文明を根底から問う営みをとおし、日本文化を創造的に覚醒しうる人物の養成を目的とする。

工学研究科

建設工学専攻分野及び電子情報生命工学専攻分野における基礎的・応用的な専門知識と技術を身に付け、人間社会と地球の未来を見渡す広い視野を持ち、創造性豊かな研究者・技術者として、新しい科学技術の研究開発やその具体的実現を積極的に担っていく人材の育成を目指す。

法務研究科(法科大学院)

法曹養成に特化した実践的な教育を行なう学校教育法上の研究科として地域に密着した法曹の育成を理念とする。