学長メッセージMessage from the President

よき人生とよき社会の実現を重ね合わせて

学長 森下 宏美
(もりした ひろみ)

北海学園大学は、前身である北海短期大学の創立から数えて、今年で74年目を迎えます。さらに辿れば、その歴史は、今から138年前、1885年に設立された北海英語学校にまで遡ることができます。本学は、学園草創期からの先人たちの意志を受け継ぎ、長きにわたって北海道における高等教育を担ってきました。卒業生は9万4千人にのぼり、北海道をはじめ国内外の各界に活躍の場を広げています。その歴史と実績に大きな誇りを感ずると同時に、地球温暖化、人口減少、高齢化、核戦争の脅威、パンデミックなど、文明の危機ともいえる事態に直面するいま、持続可能な社会のために本学が果たすべき責務を思わずにはいられません。

わたくしがみなさんに望むことは、北海学園大学での4年間を、自らのよき人生を築くための時間として過ごしてほしい、そしてその人生が、よき社会の実現と重なり合うものであってほしいということです。本学での人との出会い、学問との出会いが、みなさんをそのような人生に導いてくれることを願っています。

これからみなさんには、学生だからこそ経験できる人との出会いが待っています。その出会いから、生涯の友、助け合える仲間、生き方のモデルとなる人、そして学びの師を得てください。何か新しいことに挑戦しようとするとき、その人たちが大きな助けとなるはずです。

そして何よりも学問との出会いです。学問とは、すでに知られている知識をもとに、自分自身が問いを立て、それについて自分の頭で考え、自分なりの答えを見つけ出す研究活動です。「自分なりの答え」といっても、それは決して独りよがりの答えであってはならず、他者が納得する論理に基づくものでなければなりません。学問は、独りよがりの考えを克服し、世界の新しい姿を見せてくれます。そこに人生の新たな可能性も開けるでしょう。

本学の建学の精神は「開拓者精神」、「自立と自律」です。わたしは次のように理解しています。「開拓者精神」とは、さまざまな困難を乗り越え、よき社会の実現のためにたゆまぬ努力を払う精神です。「自立と自律」、これは決して、一人で生き抜く精神を意味するものではありません。よき社会の実現には人々の協同が必要です。その協同の中に埋没するのではなく、自ら主体的にかかわっていくことのできる資質、それが「自立と自律」の精神です。このような建学の精神のもとに行われる本学での教育と学びが、みなさんのよき人生への導きとなるならば、それに勝る喜びはありません。

副学長

総務担当  須田 一弘(人文学部教授)

1990年 北海道大学大学院文学研究科行動科学専攻博士課程単位取得退学
1992年 本学講師、1996年 本学助教授、1999年 本学教授
2004年 博士(農学)(鹿児島大学)
2014年 文学研究科長

内部質保証担当  佐藤 淳(経営学部教授)

1994年 東北大学大学院教育学研究科教育心理学専攻博士後期課程単位取得退学
1994年 本学講師、1997年 本学助教授、2002年 本学教授
2009年 博士(教育学)(東北大学)
2012年 経営学部長、2020年 経営学研究科長